忘年会・新年会など、"食べて飲む"機会がいつも以上に増える年末年始。思う存分、お酒の席を楽しみたいですが、なるべく健康にも気を使いたいもの。
飲み会が増える年末年始シーズンにオススメしたいのが甲類焼酎。「えっ、甲類焼酎!?」と思うかもしれませんが、一般的に甲類焼酎は糖質ゼロなど意外な魅力がいっぱい。健康に気を使いながらお酒を飲む人の味方なのです。
ではなぜ、甲類焼酎が糖質ゼロなのか?その理由を探るため、今回は株式会社酒文化研究所の第一研究室長である山田聡昭氏に、甲類焼酎の魅力を伺ってきました。
株式会社酒文化研究所 第一研究室長
山田 聡昭 氏
株式会社酒文化研究所 第一研究室長。1963年
埼玉県生まれ。1986年武蔵大学卒業。マーケティング企画会社を経て、1991年株式会社酒文化研究所の設立に参加し、1996年より季刊『酒文化』編集長に就任。日本だけでなく世界中の酒の飲み歩きが生きがい。酒類業界専門のコンサルタントとして活動するほか、「アジア酒街道をゆく」(『週刊新潮』05年連載)など一般向けのコラムも執筆。
明治の終わりに新式焼酎として誕生して以来、「広く愛され、支持されるお酒」というポジションを確立した甲類焼酎。おそらく、甲類焼酎という名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、具体的にどのような特徴があるのか、いまいちピンと来ない人もいると思います。
焼酎には「甲類」と「乙類」の2種類があり、それぞれ蒸留方法が異なります。芋焼酎や麦焼酎に代表される「乙類焼酎」は昔ながらの単式蒸留方法でつくられた焼酎で、原料の香りや味わいが楽しめます。
一方、甲類焼酎は明治時代に生み出された連続式蒸留方法によってつくられる焼酎。文字通り連続して蒸留されるため、無色透明でピュアなクセのない味わいが特徴的。乙類焼酎はロックや水割り、炭酸割りで楽しむのが一般的ですが、甲類焼酎はロックや水割りはもちろん、お茶割りやレモンサワーなどでも楽しめます。
「ピュアで飲みやすく、すっきりしている。それでいて価格もリーズナブル。個性的な本格焼酎が一般的な中、
自分の好きなように味を加えていける。日本の酒文化の中に、ニュータイプの焼酎としてポジションを確立して、大衆に受け容れられました」(山田氏)
乙類焼酎と比べ、自由度が高く、使い勝手がいい甲類焼酎。お茶で割ったり、レモンで割ったり、自分の好みに合わせて味を変えていける楽しさが味わえるからこそ、大衆から愛される焼酎になっていったのです。
甲類焼酎の基礎知識が身についたところで、本題に入っていきたいと思います。なぜ、焼酎は糖質ゼロなのか。それは蒸留酒の製法が大きく関係していると言います。
「焼酎は醸造酒の香気成分(アルコールやエステルなど)だけを蒸留によってとり出します。エキス分を含んでいないので、糖質やプリン体が含まれていません」(山田氏)
色んなところで、よく耳にする糖質やプリン体。焼酎には糖質やプリン体が含まれていないため、中性脂肪になりにくいのです。
それを踏まえた上で、なぜ甲類焼酎と健康が結びつくのか。それは自由度が高く、ビタミンCやポリフェノールを含んだ割り材でお酒を飲むことができるからです。
「例えば、風邪っぽいなと思ったときはビタミンCを豊富に含んだ"レモン"を搾ってレモンサワーにしたり、油をなるべく流したいと思ったときは"烏龍茶"で割ってウーロンハイにしたりすればいい。自由度が高く、使い勝手がいいからこそ体調に応じたお酒を作ることができます」(山田氏)
食べて飲む機会が増える年末年始は、レモンサワーやウーロンハイ、緑茶割りなど健康に良い成分で割ったお酒を飲むといいかもしれません。また、自宅で甲類焼酎を楽しむにあたって山田氏は、下記のお酒をオススメします。
自宅で甲類焼酎を飲むにあたって、「何を選べばいいか分からない……」という人にオススメしたいのが、宝焼酎「純」。甲類焼酎シェアNo.1の宝酒造がつくってきた甲類焼酎の中でも歴史が古く、その起源は1977年にまで遡ります。
長い間、多くのお酒ファンから愛されてきた宝焼酎「純」。長きにわたって愛されてきた理由は11種類の樽貯蔵熟成酒を13%という黄金比率でブレンドしたことにより、まろやかで口当たりがよく食事と一緒に楽しめる味わいが実現したのです。
水割り、炭酸割りなど味わい方はあなた次第。宝焼酎「純」を使って、あなたも自分好みの一杯を作り上げてみませんか?
色んな味わい方が楽しめる甲類焼酎。忘年会や新年会など、飲み食いが増える年末年始シーズン、酒飲みの味方となってくれそうですね。ついつい飲むことばかりに目が行ってしまいがちですが、時には自分の体のことも考えて、健康を意識しながら飲むのがいいかもしれませんね。