ピュアでクセがない、まろやかな口当たり。そして、割り材とミックスする飲み方を提案することで、戦前から戦後「広くに愛され、支持されるお酒」というポジションを確立した甲類焼酎。この甲類焼酎に新たなブームの兆しが見えてきています。それは国産需要の高まり、レモンサワーブーム、酒場ブームです。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、"日本の良さ"が改めて認識されるようになってきています。「割高でも国産のものを選ぶ」という考えの人も増えてきているようです。
そういったなか、焼酎文化にも変化が。近年の健康志向を背景に、糖質ゼロの甲類焼酎をビタミンCが豊富なレモンで割った「レモンサワー」が大人気となっており、家庭用でもレモン割材の需要が拡大していっているのです。
このレモンサワーの需要拡大から、こだわりサワーがブームとなり、最近はネオ大衆酒場が若年層を中心に人気となっています。トマトや生姜を使ったこだわりのサワーをつくって飲む。そんな若者も今では珍しくありません。
こうした焼酎文化の発展とともにトップメーカーとして成長を遂げてきた「宝酒造」が9月20日(火)、桜をキーワードに原材料やデザイン、ネーミングに強くこだわった新しいカタチの甲類焼酎、宝焼酎「NIPPON」を発売しました。
「年配の方の飲み物……」そう思われがちな甲類焼酎のイメージを、宝酒造は宝焼酎「NIPPON」によって一変させようとしています。写真を見ていただければ分かるように、ボトルのラベルには桜と富士山を使用。"日本らしさ"が強く意識された、華やかなデザインのラベルを見るだけで、「これまでにない新しい甲類焼酎をつくり上げた」という宝酒造の強い思いが伝わってきます。
一体なぜ、宝酒造は新たな甲類焼酎を開発しようとしたのでしょうか?その裏には、時代の変化に合わせて成長を遂げてきた宝酒造の強い思いがありました。
1912年(大正元年)、宝焼酎が誕生して以来、その間、甲類焼酎のトップブランドとして焼酎づくりを続けてきた宝酒造。
焼酎製造の基幹工場として宮崎県高鍋町にある「黒壁蔵」では、焼酎の味わいをより深化させるため、樽に焼酎を貯蔵。現在、約2万樽、約85種の樽貯蔵熟成酒が保管されています。
蒸留・貯蔵・ブレンドといった焼酎づくりの技術が詰まった宝酒造でつくられる甲類焼酎の数々は、多くのファンから今なお愛されています。
しかし近年、甲類焼酎を取り巻く環境に変化が。大衆のお酒として飲まれ続けてきた甲類焼酎ですが、飲酒人口全体の減少とともに甲類焼酎市場も縮小。そんな状況に危機感を覚えたのが、甲類焼酎のトップメーカーである宝酒造だったのです。
新式焼酎「寶焼酎」、日本の白色革命(※)を先導した宝焼酎「純」など、時代の変化に合わせた焼酎を作り続け、焼酎文化を築いてきたからこそ、宝酒造は「甲類焼酎市場全体を活性化することで、今まで甲類焼酎になじみのなかった方に飲んでもらいたい」という思いのもと、宝焼酎「NIPPON」を開発することにしたのです。
(※)1974年アメリカで起こった当時の国民酒であるバーボン・ウイスキーからウォッカ・ジン・テキーラなど無色透明な思い思いのミックスドリンクが楽しめる酒に人々の嗜好が変化していった現象。
こうして、試行錯誤の末に誕生した宝焼酎「NIPPON」。
創業以来、積み上げてきた焼酎づくりの技術はそのままに、今回、宝酒造は新たに「4つの価値」の提案にも挑戦しています。
国内のトレンドを読み解き、ニーズが高い焼酎を開発した宝酒造ですが、見据える市場は国内だけではありません。2020年に向けて日本は今後、"和回帰需要"、"インバウンド需要"がさらに拡大していくことが予想されています。
創業以来の長い歴史を築き上げてきた宝酒造の酒づくりの伝統に、"時代のトレンド"という価値をくわえることで誕生した、新しいカタチの宝焼酎「NIPPON」。今後の、インバウンド需要も相まって、「NIPPON」は日本が世界に誇るべき代表的な甲類焼酎として愛されていくことでしょう。