■収穫した稲穂から籾を取ることを脱穀と言います。
身近な物を使って脱穀してみましょう。
【方法1】
①稲の茎を持ち、広げた新聞紙の上に寝かせるようにする。
②伏せたお茶碗を穂の上にかぶせて押さえる。
③稲をゆっくり引いて、籾をこそげ落とす。
【方法2】
①空いた牛乳パックを洗いよく乾かす。
②パックの口に穂を入れ、口を閉じ、しっかりと押さえる。
③稲をゆっくりと引いて、パクの中に籾をこそげ落とす。
【方法3】
①稲の茎を持ち、広げた新聞紙の上で持つ。
②割り箸の間に穂をはさんでしっかり持つ。
③稲をゆっくり引いて、籾をこそげ落とす。
■1本の稲穂についていた籾の数を数えてみましょう(A)。そして、1株にできた稲穂の本数も数えましょう(B)。春に1ヶ所に植えた苗の数は何本でしたか(C)。
さて、春に蒔いた1粒のタネは何倍になったでしょうか。
いくつかの品種を育てた方は、その違いも調べてみましょう。
〈計算の方法〉
もし、1本の稲穂に30粒の籾ができていて(A)、田植えの時に3本(3粒)ずつ植えていて(C)それが、それぞれ6本に分けつして合計18本の稲穂ができていたら(B)計算は下のようになります。
1粒のタネが180倍になったということですね。
田んぼで育てた稲は1本の稲穂に平均100粒ほどの籾ができます。1本の苗はだいたい10本くらいに分けつしますので、田んぼでは1粒のタネがなんと1000倍くらいになります。バケツ稲では1本の稲穂に30~40粒ほど実れば充分です。分けつも田んぼの稲ほど多くはありません。
みなさんが育てた稲はどうだったでしょうか。
炊いたごはんお茶碗1杯(150g)はだいたい3000~4000粒くらいだそうです。どのくらいのお米が収穫できたでしょうか。
春から半年かけて大事に育てた稲もいよいよ収穫の時期になりましたね。収穫の喜びをおおいに楽しみましょう。お米としておいしくいただくのもうれしいですが、種籾用に籾を少しとっておくと、また来年も稲を育てることができます。
■稲穂から籾を取る「脱穀」のあと、「籾すり」をして玄米にします。その玄米を「精米」したものが白米です。 白米の状態で、とうめいで形のそろっているおコメは、おいしいおコメです。 玄米はすずしい場所におけば長い間ほぞんすることができます。 精米した白米は、空気中のさんそにふれて風味が落ちやすいので、早めに食べましょう。
〈おコメをおいしくいただく目安は…〉
ほぞん期間の目安はだいたいこのくらいです。
・玄米のまま
れい暗所にほぞんすると、1年間はじゅうぶんおいしく食べることができます。食べる直前に精米しましょう。
・精米したもの
2ヶ月ぐらいの間に食べるとおいしいですよ。
来年は自分で収穫した籾を種籾として、バケツ稲を育ててみませんか。
・バケツ稲ひとつ分の種籾には、穂を1本残しておけばじゅうぶんです。
・通気性のよいぬのぶくろに入れて、すずしい場所でほかんしましょう。れいぞうこの中や雨に当たらない屋外のものおきなどがよいでしょう。
■籾のまま“種籾”としてほぞんするのもいいですし、「籾すり」をして“玄米”で食べるのもOK。「精米」で“白米”にして食べるのもお好みでどうぞ。
籾すりした後の玄米と家にある白米を並べ、その真ん中ぐらいの色が5分づきの目安です。玄米を数粒とっておき、自分の精米したおコメのつき具合をかんさつしてみましょう。
[1]籾すり
すりばちの中に少しずつ籾をいれ、ボールでゆっくり籾をすって、表面の籾ガラをむき取ります。取れた籾ガラは軽く息をふきかけるか、うちわであおいでふきとばしましょう。そうすると、玄米のできあがり!
〈用意するもの〉
すりばち・野球のなん式ボールかゴルフボール
〈作業のコツ〉
たくさんの籾を一度にするのがむずかしいので、すこしずつすりましょう。
※玄米に白や緑色のコメがまじっているかもしれません。何かのげんいんで上手く生長できなかったコメです。風味がよくないので取りのぞくほうがいいでしょう。
[2]精米
ガラスビンの中に玄を入れ、ぼうで根気よくつきましょう。茶色い玄米がだんだん白くなっていきます。
ついていくうちに、ガラスビンの底にうす茶色の粉がたまっていきます。これがコメヌカです。
ビンの中にでてくるコメヌカを白米の色のへんかする様子を見ながら精米しましょう。
最初の玄米から、かなり白くなったと感じたら、精米のできあがり!
コメヌカはふるいなどで落としましょう。
〈用意するもの〉
中が見えるとうめいのガラスビン・ちょっけい2~3㎝のぼう
〈作業のコツ〉
・まんべんなくおコメどうしがこすりあうように、くり返しつきましょう。
・あまり強くついて、おコメがわれないよう注意してください。
※コメヌカはつけもののヌカどこや、タケノコをゆでる時のアクぬき、たい肥づくりにも使えます。
[1]バケツにワラとコメヌカを入れる
籾を取った後のワラを5センチぐらいに小さくハサミで切ってバケツに入れ、その上からコメヌカをかけ、キリフキで水をかけしめらせておきます。
〈用意するもの〉
ワラ・コメヌカ・バケツ・キリフキ・ハサミ
〈分量〉
ワラ=10:コメヌカ=2~3ていどを目安に
〈作業のコツ〉
水分は、しっとりと全体に水がしみている”水分50%”ぐらいにするのがコツです。手でにぎっても水がたれずに、パラパラとくずれるくらい。ビショビショになるのは水のやりすぎです。(かわかないよう、キリフキなどを使い、いつもしめらせておきましょう)。
※玄米に白や緑色のコメがまじっているかもしれません。何かのげんいんで上手く生長できなかったコメです。風味がよくないので取りのぞくほうがいいでしょう。
[2]ときどきぼうでかきまぜる。
ワラがだんだん茶色になっていきます。
・5~7日に1回ぐらいかきまぜ、上下をひっくりかえしたりしてください。ワラはふかふかにせず、重石をのせて空気をぬき、あっしゅくするぐらいにしてください。
・気温によりちがいますが、これからの季節だと2ヶ月ぐらいたてば茶色になります。(「かんじゅくたい肥」)として使えるようになるには5ヶ月から6ヶ月かかります)。
・手でさわってみましょう。あたたかくなっていますか?あたたかくなっていたらワラきんやなっ豆きんなどが、しめり気を利用して活発にワラをぶんかいし、たい肥にしているからです(温度が低いところではぶんかいがうまく進みません。外の気温が15~20℃以上 になると活発にぶんかいが進みますよ)。
[3]出来上がり
こげ茶色になり、手でさわってもあまりあたたかくなく、においがなくなればたい肥のできあがり!(このたい肥は、野菜の植木用の肥料として使えます)。