前回の田植え編は雨降りの肌寒い一日でしたが、この日は気持ちのいい晴天に恵まれました。気温もぐんぐん上がり、昼間は30度を越える暑さに。水分補給をしっかりしながら、草取り編のはじまりです。
「ばった組」「とんぼ組」「すみれ組」「たんぽぽ組」の子どもたちが、目をキラキラさせながら集まってくれました。今日はどんな出会いがあるのでしょうか?
草取りの前に、あぜ道や田んぼで自然観察を行います。
夏の田んぼには、さまざまな生き物が暮らしていました。
田んぼの土にサギの足跡が点々と残っています。水の中は、オタマジャクシやカエルがたくさん。
田んぼの上を縫うように、シオカラトンボや赤トンボたちが気持ちよさそうに飛び回っていました。
自然観察員さんが朝のうちに用意してくれた小さな筒状の水槽には、オタマジャクシやミズカマキリがいました。「このオタマジャクシ、足が生えてる!これからカエルになるんだね」「ミズカマキリは初めて見た」と子どもたちは大喜びです。
植物たちの様子も、田植えの時期とはずいぶん違います。以前は水面から土が見えていた場所は、水草が一面を覆い尽くしていました。あぜ道ではミヤコグサやねじり花、ウツボグサなど、小さくてかわいい花を咲かせた植物たちが目を楽しませてくれます。
水源がある山に向かうと、ネムノキがフサフサとした綿毛のような花を咲かせていました。ピンク色の花に顔を近づけると、甘く良い香りがします。
大人の背丈ほどの細い松の木の前で足を止めた自然観察員さん。「この木は何歳でしょう?」。松は一年に一節分のびるので、枝の分かれ目を数えると答えがわかるのだそうですよ。ほかにも、茎の中の汁を竹細工の加工のために使っていたというタケニグサや、勢いよくちぎると恐竜の歯のようなギザギザの形になるアラカシ、小さなどんぐりの赤ちゃんなど、今回もたくさんの植物に出会うことができました。
さあ、いよいよ草取りの時間です。イネの生長を邪魔する草を取り除き、土の中を手と足でかき混ぜて根っこに酸素を送り込みます。草取りは、イネが元気に育つ手助けとなる大切な作業なのです。
農家さんに草の見分け方や土のかき混ぜ方を教わり、靴下姿で田んぼに入ります。田植え編で教わった「つま先から入ってかかとから抜く」歩き方が、みんなとても上手になりましたね!
イネの高さを測ると前回よりもずっと大きく、立派に育っています。
「この草は土に埋めていいもの?」とわからないことを農家さんに聞いたり、「手を土に入れると体がグラグラする」「もうドロドロになっちゃった!」と口々に感想を言ったり、賑やかな声と共に草取りは無事終了しました。
最後は「ふりかえりシート」に今日のできごとをまとめ、みんなの前で発表しました。
「今日もいろんな虫や植物と出会えて楽しかった」
「土がやわらかくて歩くときにヨロヨロしたけど、草をいっぱい抜いたよ」
「イネが大きくなっていて嬉しかった。収穫が楽しみ!」
発表する子どもたち一人ひとりに、たくさんの拍手が送られました。
かんさつノートに「ケロッ田スタンプ」を押してもらって、今日の授業は終了です。
秋の収穫を楽しみに、帰路につきました。