雨が降る日と晴天の日のメリハリがきいている今年の梅雨。<草取り編>はそんな梅雨の晴れ間に開催されました。続々と“登校”してきた生徒たち、今日は補虫網持参の家族が多いです。どうやらみんな<田植え編>での自然観察がかなり気に入ったよう。始業式が始まる前から田んぼの周りで網を振るい、生き物観察をはじめています。さあ、今日はどんな生き物に出会えるかな?
「イネ、大きくなったね」田んぼを見ながら、生徒たちが登校してきます。
始業式が始まりました。今回は新しい校長先生のごあいさつから。
室内授業で配られたのは、生き物田んぼから採取した生き物が入った容器3つと、一見、何もいないように見える容器です。これらを双眼実体顕微鏡や、2way虫めがね、ルーペを使いじっくり観察すると…。カエルの血管や動き回るミジンコなど、とても小さな生き物の世界に、生徒たちは騒然! こうした生き物が田んぼの周りで食物連鎖を営むことで、田んぼにとって良い環境が成り立っていることを学びました。
横から見ると下側が見える虫めがねを使って生き物を下から見てみます。
一見、何もいないように見える容器ですが…。
お父さんと協力しながら、ルーペを工夫して使います。
実習生のサポートで顕微鏡を調節します。くっきり見えるのはどの位置かな。
「うわ、どくどく動いている」。まだ尻尾の残るカエルのお腹を見て思わずニッコリ。
水槽に入った生き物も、角度を変えて見ると新しい発見がありそうです。
自然観察で出会える生き物をチェック! ケロッ田と田んぼの仲間たち
屋外での自然観察で、田んぼの周りに産みつけられたカエルの卵を発見しました。虫を食べるクモも種類が増えています。草むらに入ると、バッタやキリギリスなど、ぴょんぴょん跳ねる虫に子どもたちは大喜び。中には大物のキリギリスを捕まえた生徒もいました。
田んぼ周辺に設けられたテーマポイントでは、こうしたバッタとキリギリスの違いを教わり、また言葉もなく移動もできない植物が、どうやって他の生き物や仲間とコミュニケーションをとったり、子孫を増やしたりしているかを学びました。
アンテナがトレードマークのガの幼虫。綺麗な模様をしています。
モリアオガエルのたまご。落っこちそうですが、しっかり木にくっついています。
植物はにおいでサインを発信しています。結構強烈なにおいのものも…。
バッタとキリギリスのちがい、見分け方は触角の長さにあるんです。
大きな昆虫を捕まえました。バッタかキリギリスか、さっそく見分けてみてみます。
自然観察の後は、親子の会話も弾みます。「いろんなにおいの植物があったね」
減農薬で育てている体験田んぼのなかは、草がびっしり。今日はこうした草を抜いて、田んぼの栄養となる草は泥の中に埋めていきます。どんな草を取ってどの草を埋めるのか、田んぼ講師に教わると、いざ田んぼへ!「根っこ、かたい!」二の腕まで田んぼに突っ込んで、生徒たちは懸命に草を取ります。腰を曲げて手足にまとわりつく泥田の中での作業は大変なもの。「お米って、こうやってできているって、思わなかった」そんな感想があちこちで聞けたのも頷ける、草取り体験となりました。
田んぼに生えている草。これを今からみんなで草取りです。
いよいよ田んぼに入ります。<田植え編>で教わった足の抜き差しは、覚えているかな?
田んぼには順序良く。今日の水温は表面が24度、中は20度で、田んぼの中は気持ちよさそう。
田んぼに入ったら、イネの長さを測ります。約50センチで前回の倍以上に成長しています。
びっしり根が張った草は、抜くのも力がいります。
力を込めて、昔の草取り道具である田打ち車を押します。前に進めー!
日記の絵で一番多かったのは、やはり草取り。青々としたイネと、びっしり生えた草は、生徒たちの心に強い印象を残したようです。そして自然観察の時間に顕微鏡で見た、小さな生き物たちも、田んぼの役に立っていることも、生徒たちには目新しいことでした。生き物との新しい出会いをたくさん思い出にして、生徒たちは家路につきました。
ペンをスイスイ走らせて、今日の体験をまとめます。
自然観察で出会った昆虫を思い出しながら。
田んぼの様子がとても印象的です。
持参の図鑑で、今日出会った生き物を再確認します。親子の楽しいひととき。
最後は皆で日記を発表し合います。草取り体験、面白いことがいっぱいあったかな。
仁江では田んぼ講師の方が炭焼きを行っています。今日は授業の終わりに炭のつくり方も教わりました。