収穫編の当日の朝は、辺り一面に朝霧で覆われ肌寒い気候でしたが、自分たちの植えたイネの生育具合を楽しみに、元気に現地に向かう参加者たちの姿がありました。
午前中は自然観察です。
辺りはすっかり秋めいていました。
足元にはイガにおおわれた栗やどんぐりが転がり、木には少しオレンジ色に色づいた柿が実っていました。また、春にはカエルの”ゲコゲコ”という鳴き声で賑やかだった田んぼ周辺は、”コロコロコロ”や”リーンリーン”という秋の虫たちの鳴き声に変わっていました。
一歩、草むらの中に足を踏み入れるとバッタやイナゴなどの虫たちが一斉に飛び回り、「バッタを捕まえたい!」と一目散にバッタを捕まえに行く子もいました。
里山でも自然観察指導員の方々が秋ならではの植物や生き物を見つけては説明をし、みんなを楽しませてくれました。
例えば「オオオナモミ」(通称ひっつきむし)。この実は先端がかぎ針のような無数のトゲがあり、これが生き物の毛や衣類などに絡みつきやすいという特性を活かして、”的当て”が実施されました。
子供たちは必死で的をめがけて、オオオナモミを投げつけていました。
午後からは稲刈りです。
「さあ刈るぞ!」と意気込みながらみんなは田んぼに向かいました。
先ずは田んぼ講師の方たちの実演からです。
カマの持ち方や構え方など、今回も大きな身振り手振りで教えてくれました。
実演後、イネの長さ、色、株の茎の数などの観察をしました。春に自分たちで植えた3本の苗は1株におよそ40本の穂ができ、1つの穂にはおよそ120粒ほどの”もみ”が実りました。
観察後はいよいよカマを持って稲刈りです。
イネを順手で一束掴み、しっかりと腰を落とします。両足で踏ん張って、カマをサッと引きます。
最初はなかなか上手に刈れません。しかし、徐々にサクサクッと刈れるようになり、途中からは「おもしろーい!」という声も上がっていました。
稲刈りの後、昔の農機具である”千歯こき”や”こきばし”を使っての脱穀体験に挑戦しました。
実際に挑戦してみると脱穀だけでも一苦労。昔の人の大変さはここでも感じることができました。
また、”こきばし”を初めて見るという人も多く、昔の農機具に触れる良い機会となったようです。
最後は自分が体験したことを「ふりかえりシート」に書き留めます。
秋の自然を肌で感じた事、カマを使って稲刈りをしたこと、脱穀体験に挑戦したこと。
みんなとても良い表情でそれぞれの1日を振り返っていました。