京都府南丹市の里山で、2023年度の「田んぼの学校」が開校しました。
コロナ禍の影響でしばらく田んぼに集まってもらうことが出来ませんでしたが、今年は待ちに待った現地開催です。
午前の「とんぼ組」と午後の「ばった組」の2組に分かれ、16家族54名が入学されました。
朝は少し霧が出ていましたが、良く晴れた気持ちのいい一日。爽やかな風が田んぼを吹き抜けていきます。
最初に、田んぼの周辺をぐるっと一周しながら自然観察を行いました。
今回のテーマは「五感を使って始めよう自然観察」。みる・きく・においをかぐ・あじわう・さわるという5つの感覚をフルに使って、あぜ道や田んぼの中を観察します。
普段暮らしている場所とは違う、緑豊かな里山での新しい出会いに、みんな目を輝かせています。
水の中ではオタマジャクシやカエル、ホウネンエビ、ミズグモなどが泳いでいます。
ケロッ田の仲間のシュレーゲルアオガエルの卵も観察できました!
水面にはアメンボがスイスイ。水面近くをイトトンボ やシオカラトンボが飛んでいます。
水面近くのイトトンボ
田んぼ周辺に咲くアザミ
あぜ道には、ヘビイチゴやアザミ、シロツメグサといった、たくさんの植物がすくすく育っています。
スイバで10円玉をこすると10円玉がピカピカになるよ」など、自然観察指導員から次々と飛び出してくるお話に、「へえ~!」と驚きの声があがります。
さ~て、何を捕まえるかな?
5つの感覚をフルに使ってみよう
いい笑顔で観察中です
ミズカマキリを捕まえたよ
ルーペで見ると、面白い形をしているね
オタマジャクシってプルプルしてる!
自然観察が終わったら、今日植えるイネの長さをメジャーで測り、気温や水温をかんさつノートに書き込んで、いよいよ田植えの時間です。
まずは、田んぼの大先輩である農家の皆さんが実演してくれました。
田んぼでの歩き方、イネの苗の持ち方、植え方を教わります。
土の感触がわかるよう、靴下で田んぼに入ります。
ドロドロの土を歩くのは想像以上に難しく、みんなは大苦戦。「体がしずむ!こわい!」「足が抜けない!」と大騒ぎです。
農家さんに教わった「つま先から入ってかかとから抜く」歩き方を思い出しながら、一歩ずつゆっくり進みます。
最初は歩くだけでも四苦八苦していましたが、だんだんとコツがつかめると、スピードもアップ。田植えを終えて、まだイネを植えていない田んぼを走り回る子どももいました。
最後に、今日一番心に残ったことを「ふりかえりシート」に記入します。
目をつぶって今日のできごとを振り返り、イラストや言葉でノートにまとめました。
ノートにかいたことを、みんなの前で発表します。
「カエルや鳥が鳴くのがずっと聞こえてた」
「トンボがかっこよかった!」
「田植えをしていたら、すごくお腹が空いちゃった。“お米が1つぶ、お米が2つぶ”と数えながら植えたよ」
同じ場所にいても、感じることはいろいろ。発表した一人ひとりに盛大な拍手が送られました。
この日の授業は、これで終了です。
かんさつノートに「ケロッ田スタンプ」を押してもらって、みんな帰路につきました。