今年はやや空梅雨ぎみの京都ですが、今日は朝から少し曇りがちで、天気予報には雨マークも見られます。朝はまた日が差すこともあり、お天気はまずまず大丈夫そう。そんな曇りがちなお天気をよそに、生徒たちは朝から元気に登校です。毎年、生徒たちの一番の人気者になるカエルが今年は少なめとのことでしたが、それでも始業前から大きなカエルを捕まえるなど、<田植え編>のときよりずっと自然と仲良くなっている生徒たちなのでした。
イネ、大きくなったなあ。ずいぶん背丈の伸びたイネに驚きます。
朝、田んぼの近くで捕まえたシュレーゲルアオガエル。大きくて、緑色がとっても鮮やか!
今回は水槽持参の生徒もちらほら。どんな生き物に出会えるかな?
受付にて。どの家族も第1回目の「田植え編」より、ずっとリラックスした雰囲気です。
室内で“田んぼの命のつながり”と題して自然観察がはじまりました。オタマジャクシや水生昆虫などを、今日は双眼実体顕微鏡やルーペなどで観察します。バッタの呼吸やオタマジャクシの心臓など、何を観察するかが説明されると、大学生サポーターが生きものの入ったケースを配ります。ケースの蓋を開けると、どのテーブルからもまず歓声が上がり、「初めて見た生き物がいた人は?」という質問には、ほぼ全員の手が挙がりました。
田んぼの中で生きものたちがどんな生活を営んでいるのか、命のサイクルについて学びます。
バッタの呼吸を観察。腹がドクドク動いているのがよく見えました。
からだから透けて見えるというオタマジャクシの心臓を探します。どこにあるか、わかるかな。
生き物をさらによく観察するため、双眼実体顕微鏡を使います。
昨日の雨で、獲物を捕らえたときに水に流されたらしいヘビの死骸。ちょっと怖い?
アカハライモリを観察。赤いまだら模様のお腹は「なんかチーターの模様みたい」
自然観察で出会える生き物をチェック! ケロッ田と田んぼの仲間たち
いよいよ屋外の自然観察に出かけます。緑が濃くなり始めた田んぼ周辺では、昨夜の雨のためかシュレーゲルアオガエルが木に卵を産み付けていました。ふわふわ、ぺたぺたした手触りはまるで綿菓子のようです。テーマポイントでは植物の成長や、身の守り方を学びます。植物のごはんは酸素と太陽の光。そして虫から自分たちを守るために、葉をかじられると臭いにおいをだしたり、毛むくじゃらの茎の間にトゲを忍ばせていたりと、植物もちゃんと知恵を働かせていることを知りました。
その後は双眼実体顕微鏡を使って、アザミのトゲを観察しました。「うわ、めっちゃトゲトゲ!」チクリとささる鋭いトゲは、顕微鏡で見ると一層とがって見えるようでした。
コオイムシという、オスの背中に卵を産み付ける虫を発見。きれいに並んだ卵を見て「納豆みたい」
田んぼにたくさん生えているチガヤが、京都の6月の行事「茅の輪くぐり」の材料と知ると、なんだか親しみがわきます。
田んぼのそばのクモの巣スポット。マンションのように巣が連なり、今日もさまざまなクモに出会いました。
シュレーゲルアオガエルの卵を発見! どんな感触かな…?
ノアザミの花をポンポンと叩くと、中から白いめしべと花粉が出てきます。花にとまった虫の体に花粉をくっつけて、運んでもらうという植物の知恵です。
テーマスポットでは植物はからだのトゲや臭いで危険から身を守っていることを学びました。
田植えからわずか1か月なのに、イネは40センチほどに成長し、分結して株も太くなっています。そしてイネの間には草もたっぷり生えていました。「宝酒造 田んぼの学校」の草取りは“草うめ”でもあり、イネの栄養になる雑草は泥の中に埋め込みます。生徒たちが草取りをした後は、イネの列がくっきりと現れました。慣れない作業で腰が痛いと言っていた大人たちも、すっきり整ったイネの列を満足げに振り返るのでした。
どの草を取ればよいのか、田んぼ講師の説明を生徒たちは熱心に聞きます。
田打ち車は昭和25年ごろまで現役で使われていたそうです。
いざ、田んぼへ。昨夜の雨もあって田んぼの水はやや多め。
まずはイネの成長を確認。大きくなったなあ!
「いっぱい草、生えてるよ」家族で協力して、どんどん草を取ります。
お母さんと一緒に田打ち車にトライします。結構重たい!
草取りを終えて生徒たちが田んぼから上がったころ、夕立が訪れました。落ち始めた雨は、すぐに驟雨となり、生徒たちが駆け込んだテントの屋根を激しく叩きます。やがて雨が小降りになると、生徒たちは公民館に戻って今日のふり返りをはじめました。自然観察で、田んぼの草取りで、またたくさんの新しい経験をした生徒たちは、どの家族も仲よさそうに、今日の思い出を発表し合い、一日を締めくくりました。
ちょっぴり雨に遭いましたが、草取りも無事終了。田んぼの学校の締めくくり、日記づくりが始まりました。
ノートを見たり、話し合ったり。生徒たちは思い思いに絵日記を作ります。
日記が完成したら、いよいよ発表タイムです。今日一番思い出になったことをはどんなことかな?
発表は、グループごと、全員で。大人も子どもも、それぞれの日記を発表しました。