アドベリー栽培は、「道の駅」開設のため地域の特産品を探していた2003年、ニュージーランドのボイセンベリーという品種に出会ったことに始まります。当時、10人程の生産農家でスタートしたのですが、梅雨時期など気候の違いや栽培方法など試行錯誤の連続でした。また、この果物は生果では１日しか持たず、小さな種もあるため、果汁を冷凍保存してジャムやクッキーなどに加工。2024年3月時点では、107アイテムが安曇川の特産品として認定されています。

なかでも「寶CRAFT」＜滋賀アドベリー＞は、2017年に果汁メーカーから紹介を受け、2020年5月に発売。当初はコロナ禍の販売で危惧しましたが、土産物店、地元有名スーパーなどで扱われ、アドベリーの知名度も上がり一同喜んでいます。この商品は単発ではなく、地元で愛される商品として育てていくために、「ふるさと納税」にも提案して地元を盛り上げていきたいと思います。

栃木県茂木町は昔、葉タバコ生産が盛んな地でしたが、1975年頃日本専売公社（現・日本たばこ産業）が撤退し遊休地が増えたため、村おこしとしてゆず栽培がスタートしました。生産者は40名程で販売は生果が主で、販路もなかなか広がりませんでした。しかし、2012年特産農作物を加工する施設「もてぎ手づくり工房」ができ、加工品にも力を入れるようになりました。

茂木ゆずの特徴は、昼夜の寒暖差により皮が厚く、香りが豊かで苦みが少ない点にあり、一つひとつ手搾りにこだわっています。宝酒造とは2016年発売のチューハイ「直搾り」〈栃木産もてぎブルーベリー〉からのお付き合いですが、この＜栃木ゆず＞は「寶CRAFT」の第1弾として2017年9月に発売され、地元のお土産物、飲食店などで人気です。自分達が作ったものが地元の特産品として喜ばれていることが励みとなり、茂木町の生産者の活力となっています。

東京から南に1,000km離れた小笠原では、年間を通じて温暖な気候を利用したフルーツの生産が盛んです。しかし、交通手段は約1週間に1度の船便に限られ、本土から遠く離れているため、消費者の皆さんとつながるのが難しいのが実情でした。

そこに、(株)日本果汁から島の特産品を作ろうという熱い想いをいただき、加工品を通じてお客様に小笠原の特産品を認知してもらうためのプロジェクトが始まりました。宝酒造とは2015年発売のチューハイ、「直搾り」＜小笠原パッションフルーツ＞から取り組みがスタートし、2018年「寶CRAFT」＜小笠原島レモン＞、2019年には、＜小笠原パッションフルーツ＞を発売。広く首都圏で販売することで特産果実の知名度がアップし、生果の売れ行きも格段に良くなっています。これまでは生産者も加工品の販売に苦労しましたが、果実を無駄なく使っていただけるので、安心して栽培に取り組めます。