第2章:焼酎復権への執念
宝酒造は焼酎メーカーである。今でこそ清酒やみりん、缶チューハイなど幅広いラインアップを誇るが、前身の四方合名会社の頃より焼酎を生産しており、特に1916年の新式焼酎「宝焼酎」の自社製造・発売以降は常に焼酎業界をリードしてきた。よって、焼酎苦難の時代でも、「焼酎の時代は必ず来る」と信じ、「焼酎は宝酒造の命。なんとしてでも復活させたい」と焼酎復権への執念に燃えていた。いかにして高品質な焼酎を生み出すか---ありとあらゆる原料や蒸留方法、貯蔵方法等を試し、試行錯誤の日々が続いたのだった。