おいしさづくりの基礎知識野菜エキスに関する基礎知識

野菜エキスとは

野菜エキスは熱水や蒸気などを用いて野菜をブランチングした後、搾汁あるいは抽出した液を濃縮したものです。

※ブランチング:野菜に含まれる酵素が、搾汁時に野菜の変色や香味の変化に働かないように酵素を失活させる(=働きを抑える)加熱処理のこと

野菜エキスの原料には玉ねぎ、にんにく、しいたけ、白菜など様々な野菜が使われ、単一野菜のエキスはもちろん、複数の野菜エキスを混合したもの、畜肉エキスとブレンドしたもの、ソテーした野菜や乾燥野菜を加えたものなど多種多様な商品があります。

野菜エキスの性状は、大きく分けて液体と粉末の2タイプで、液体タイプは主に液体調味料や惣菜に、粉末タイプはシーズニングや粉末スープなどに使用されています。

野菜エキスの性状と用途

  液体タイプ 粉末タイプ
性状 ・高濃縮タイプ(Brix 40~70)
・低濃縮タイプ(Brix 10~20)
・ペーストタイプ
・粉末タイプ
・造粒タイプ
用途 ・液体調味料
・惣菜
・シーズニングパウダー
・粉末スープ
・ふりかけ

野菜エキスができるまで

野菜エキスは、下記のフローのように野菜を搾汁し、濃縮工程を経て作られます。

図

野菜エキスに含まれる有効成分

野菜には様々なうまみ成分や栄養成分が含まれています。 また、高濃縮タイプのエキスを作る過程で生成する成分が、長時間煮込んだような熟成感を付与したり、味の底上げや幅を持せたりします。具体的には、野菜に含まれる糖分やアミノ酸が反応して生成するメイラード反応物などが挙げられます。

ここでは加熱濃縮前の玉ねぎ搾汁液と加熱濃縮後の玉ねぎエキスとの成分比較を行った例を紹介します。

図

高濃縮タイプの玉ねぎエキスには加熱濃縮前の玉ねぎ搾汁液に比べて、中程度の分子量成分が増えています。この加熱濃縮によって生成した成分を含んでいるので、野菜エキスを添加するだけで食品の調理感を高め、味が底上げされます。

野菜エキスの使用用途例

野菜エキスは動物性エキス(かつお節やチキン)と比べて、直接的なうまみでは劣りますが、動物性エキスでは感じにくいうまみ成分(酸味や苦味、雑味などの成分)を含んでいるので、動物性エキスを使った食品に加えると味の底上げ効果を発揮します。また、少量の添加で様々な加工食品の味付けにご使用いただけます。

食品 推奨添加量(%) 効果
鍋つゆ 0.5~1.0 野菜を煮込んだ風味の付与
丼たれ 0.5~1.0 野菜の風味付与
みそ汁 0.5~1.0 野菜の風味補填
コク付与
卵加工品
(だし巻き、茶わん蒸し等)
0.2~1.0 コク付与
味まとめ効果
煮物 0.5~1.0 野菜の風味補填
調理感・コクの付与
炒め物 0.5~1.0 コク付与
味の底上げ
ドレッシング 0.5~1.0 野菜の風味付与
ラーメンスープ 0.5~2.0 野菜の風味の付与
煮込み感の付与

このように、野菜エキスは食品に添加するだけで調理感の付与や味の底上げをする効果があり、食品の香りや味わいをより豊かにします。

【参考文献】
「エキス調味料の基礎知識 1.エキス製造のための基礎知識 Ver.2」,2017,日本エキス調味料協会