東京・新宿歌舞伎町ゴールデン街の花園一番街で40年余の歴史を誇るのが「呑屋 しの」(03-3200-8044)だ。
ママさんの木島三代子さん(73)は、九州女の情の濃さと気風の良さが身上で、酒癖の悪い客だと有名無名を問わず、「金やらいらん、出入り禁止だ」と啖呵を切る。何かひけらかそうものなら即座に小気味いい毒舌を浴びせる。日大芸術学部演劇学科卒業後、松竹宣伝部で働くなどキャリアウーマンの先人でいながら飾らぬ人柄を慕う常連客は多い。
かつては作家の田中小実昌、女優の太地喜和子、今は文化人類学者の西江雅之氏などがこの店をこよなく愛している。木島さんは、日替わりで5〜6品の大皿料理を準備する。この日は、古漬けの盛り合わせに小松菜のおひたし、蕗の肉詰め等が彩り良く並んだところで宝焼酎ゴールデンを試飲してもらった。木島さんは、「ストレート、ロック、水割り、ソーダ3にゴールデン1の割合のハイボールと一通り全部試してみました。私は炭酸が得意ではないのに、このゴールデンハイボールは甘い香りで口当たりも良く一番おいしく呑めました」と弾けるような笑顔を見せた。夫君の茂さんは、「コクがあって今日のどの大皿料理にも合うね」とゴールデンハイボールを飲み干してニッコリ。
男性の常連客曰く、「この店は時々、解凍ものではない鯨の刺身、岩牡蠣、鹿肉が味わえるのですが、ゴールデンハイボールはどの味も引き立ててくれそうで楽しみです」。