子どもと大人は別々の授業に参加します。子どもたちは来年の春に届く「本みりん」のびんに貼るオリジナルラベルを作りました。この本みりんには自分たちで田植えをし、収穫したもち米が使われます。さまざまなペンを使って田んぼの学校の思い出や、両親への感謝の気持ちなどを絵やメッセージで表し、個性豊かなラベルを作りました。
両親へのメッセージや田んぼでの思い出など、思い思いにラベルを作ります。
持参した色とりどりのペンを使って、一生懸命にラベルを仕上げます。
ラベルが完成したら、どんなことを書いたのか、代表者が発表しました。自分の家族にはまだ内緒だよ。
大人は「みりんの楽校」で、本みりんと料理清酒について学びました。「本みりん」とみりん風調味料、「料理清酒」と価格の安い料理酒は、どう違うのでしょうか。それぞれを飲み比べたり、本みりんとみりん風調味料で調理した高野豆腐の含め煮を食べ比べたりして、その違いを学びました。
本みりんは発酵食品。仕込みタンクの中でじっくりと糖化・熟成すると独特の香りやうまみ、甘みが生まれます。
料理清酒と料理酒を飲み比べ。料理酒は加塩してあるため、塩辛く感じます。
1時間目が終わり、みんなでお昼ごはん作りが始まりました。雑煮など4種類。年の瀬も間近なので、お正月にご自宅でもう一度作っていただける内容になっています。調理をはじめる前に、プロのお手本を見て予習しました。リズムよく調理を進める先生の手もとに、大人も子どもも釘づけでした。
デモンストレーション担当の坂田先生。調理のポイントを押さえた説明に参加者は真剣そのもの。
次は自分たちでつくらなくちゃ! 参加者の皆さんは、大人も子供もメモをとったりしていました。
本日作る4品。伊達巻、のしやき、きんとん、白味噌のお雑煮の完成品です。
お揃いのエプロンと三角巾を付けると、みんな一斉に料理のスイッチが入りました! 普段は料理をしないお父さんや、料理のお手伝いはしたことがないという子どもたちも、力を合わせて料理に取り組みます。自分たちが収穫したもち米を使って、家族でつくるお昼ごはん。大人サイズの包丁を扱う子供に、「猫の手のように指先を丸めてー」と、指を包丁で切らないポイントを説明するご家族も。調理が進むにつれ、教室はお肉の焼ける匂いや出汁のよい香りでいっぱいになりました。
本みりんの量をきちんと量って、伊達巻などに使います。
こんがり焼きあがった伊達巻は、端からくるくる巻きます。
混ぜる人、すり鉢を支える人、調味料を入れる人と、絶妙のチームワークです!
クチナシできれいな金色になったきんとん用のさつま芋。来年は金運もアップするかも。
盛り付けも協力して丁寧に。見た目もおいしそうになるように、気配りしながら取り分けました。
自分たちで作ったお料理は、いつもよりおいしく感じます。
京都府立大学の学生が講師になって、おせち料理の名前の由来や、一品一品にこめられた先人の願いについて学びました。授業で使ったオリジナルかるたは、日本の節句料理が詳しくわかるようになっています。かるた遊びがはじまると、子どもたちは実に真剣! ヒントが読み上げられるたび、あちこちのテーブルから鋭くかるたを取る音が響きました。
1年の健康と豊作を願うおせち料理。料理を詰めるお重にも「めでたさを重ねる」という意味があります。
学生たちが作ったかるたは、ちょっと難問も隠れています。気を付けないとお手付きしそう。ヒントをよく聞いて!
色々な意味が込められたおせち料理。かるたで遊んでいるうちに知識が自然に身につきます。
正解札を取った人が複数いる場合は、仲良くジャンケンしました。
食育の授業が終わると、田んぼの学校のカリキュラムはすべて終了です。田んぼで学んだ出来事を、参加者のみなさんはきっとこれからも時々、振り返ったり思い出したりすることでしょう。ひと家族ずつ校長先生から名前を呼ばれ、卒業証書を授与された子どもたちの顏は、喜びに輝いていました。
卒業証書授与。家族ごとに授与されます。
出席カードに最後のケロッ田スタンプを押してもらって、田んぼの学校は終わりました。