田んぼの学校<草取り編>は、梅雨らしい空模様ではじまりました。始業式前は、時折、雨が降ることもありましたが、やってきた子どもたちは、雨がちな天気も何のその! 早速田んぼをのぞいてみるなど、<田植え編>以上に張り切っている様子でした。
小雨が降る中、会場に向かいます。
会場に着いたら、まず受付を済ませます。
今日の自然観察では「田んぼとその周りの生き物の命のつながり」について学びます。
自然観察に備えて、参加者たちは熱心に事前学習を受けました。
田んぼの周りを見るとクモの巣がたくさんあり、雨のしずくがくっついてよく目立ちました。「(クモの巣に)石を投げてみたい!」と参加者の一人が言うと「クモはイネを守ってくれる大事な生き物だから駄目だよ」と自然観察指導員の方が教えてくれました。バッタやイナゴなどを食べるクモは、イネにとっては大事な“守り神”なのです。
自然観察指導員の方が指し示す先にある背の高い木のてっぺんで、ホオジロが鳴いています。これは縄張りを主張しているのだとか。
最もきれいなクモと言われるコガネグモ。一生懸命、観察します。
巣に飛び込んだバッタを素早く糸でからめとるコガネグモ。あっという間のできごとでした。
成長したワラビにマメコガネというコガネムシがいました。田んぼには厄介な昆虫だそうです。
「どんな匂いがする?」サンショウ、ドクダミなど匂いの強い植物たち。なぜこんな匂いなのかな?
匂いを出しトゲを持つことで、植物は自分を守っています。動けない植物にも多彩な知恵があるのです。
室内ではバッタやマツモムシ、アメンボなど、田んぼの周りで見かけた水生生物を、顕微鏡で観察しました。水中では背泳ぎで泳ぐマツモムシは、セミの仲間だと聞いてみんなびっくり!顕微鏡で拡大すると、なるほど、顔はセミそのものでした。次に、生き物の脚を観察しました。アメンボの脚は表面が滑らかなのに、マツモムシはフサフサしています。水面の上を行くアメンボと水面下を背泳ぎするマツモムシでは、からだの構造も異なります。
マツモムシの脚を観察。フサフサした様子を確認中。
動き回る虫の観察は、なかなか大変でした。
バッタの腹を観察します。昆虫の腹は常に動いており、腹にある細い穴で息をしています。
メスがオスの背中に卵を産み付けるコオイムシ。卵は他のオスに食べられることもあるそうです。
雲の切れ目から太陽がのぞき始めた午後。<田植え編>で慣れたのか、参加者たちは落ち着いた様子で田んぼに入っていきます。今年は田植えのあとの気温があまり高くなかったせいか、草は殆ど生えていません。それでもイネの間の泥をかき回し、根に酸素をたっぷり届けることが今後のイネの成長に大きくかかわります。やわらかい泥に腕を差し入れ、イネのまわりをしっかりかき回しました。
まずはイネの成長を調べます。約40センチ。田植えをしたときの倍くらいになりました。
イネの成長を記録します。田植えの時は3本ほどでしたが、今回は20株以上に分けつしていました。
田打ち車に挑戦! 田打ち車を押しながら、雑草を田んぼの中に埋め込みます。
イネの周りをしっかりかき混ぜて、たっぷり酸素を送ります。
たくさん酸素を吸収して、お米がたくさん収穫できますように!
見た目より重たい田打ち車にお父さんと一緒にチャレンジ。
生徒たちが書いている日記には、卵をたくさん背に乗せたコオイムシや田打ち車など、今日初めて出会ったものが描かれていました。各自思い思いの思い出を絵日記にしたら、グループになって発表会。ほかの人と思い出を共有すれば、楽しかった一日がより深く印象に残ることでしょう。
色とりどりのペンを使って、今日一日の思い出を描きます。
テーブルごとに発表会。大人と子どもで少しずつ異なる視点が興味深いポイントです。
ふり返りは思い出や発見を共有するひととき。みんな乗り出して聴いています。
最後は学生証にケロッ田のスタンプを押してもらって、<草取り編>は終了です。