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宝酒造 田んぼの学校

田んぼの学校レポート(2011年度)

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第4回 <恵み編> 日にち:2011年11月23日(水・祝)/場所:宝酒造伏見工場

始業式

2011年11月23日(水・祝)。宝酒造伏見工場で「TaKaRa田んぼの学校2011」の最終回となる〈恵み編〉が開催されました。この日は寒さも和らぎ、最後をしめくくるにふさわしい爽やかな青空が広がるなか、朝早くから生徒のみなさんが集合しました。

始業式は、矢野雅晴(やのまさはる)校長の挨拶から始まりました。
「みなさん、おはようございます。5月には泥まみれになって苗を植え、7月には暑い中、一生懸命草を抜きました。10月には雨雲を吹き飛ばしながら稲刈りをしました。そして今日はいよいよ最終となる〈恵み編〉です。みなさんに刈り取っていただいたお米の一部を今日おもちにしてみんなでいただきます。そして、この伏見工場で本みりんにして来年の春にお届けします。今日、お子さんには、そのびんに貼るラベルもかいていただきます。また、大人の方には、本みりんに関する授業がありますので、楽しみにしていてください」

続いて、京都府南丹広域振興局の和田健(わだたけし)局長から「お米づくりや自然とのふれあいなど、この学校での貴重な体験が、食糧問題や自然環境の問題を考えるきっかけになれば幸いです。京都府でも、現在力を注いでいます『農産物の生産振興』や『都市と農山村との交流』などへの取り組みを、これからも続けていきたいと思います」と挨拶がありました。

次に、伏見工場の柴田佳弘(しばたよしひろ)工場長の挨拶です。「伏見工場では、お酒や本みりんをつくっています。いずれも原料は、自然の恵みであるお米や地下水です。その製造工程では、目には見えないほどの小さな生きものが重要な役割を果たしています。また工場で使われた水も、やはり目には見えないほどの小さな生きものの働きによって浄化し自然に戻しています。今日の授業を通して、お酒や本みりんが、自然の恵みからできていること、たくさんの人々やさまざまな生きものの協力によってできているということを学んでいただきたいと思います」

最後は、NPO法人森の学校の佐伯剛正(さえきこうせい)さんから、今日の授業内容と本年度のまとめについてお話がありました。
「今日の授業のテーマは『命を食べる』と『命をつなぐ』の2つです。
お米は人の命を支えてくれる食べ物です。でも、実はお米というのは“タネ”でもあります。これまで、タネというのはいろんな生きものたちの関わりのなかで命をつなぐものだということを学んできました。今日はその田んぼで育ったもち米をおもちにします。おもちを食べる前に、いままでの授業で見つけたカエルやコオイムシなど、田んぼの中にいた生きものたちのことも思い出しながら『いただきます』をしてほしいと思います。
私たち人間はこれから、もっともっと自然から学ぶ時代が来ると思います。田んぼは、命のつながりでいっぱいです。みんながつながって生きている田んぼは“小さな地球”です。今日も五感をいっぱい使って、“命のつながり”を体験してほしいと思います。そして、この学校を卒業したあとも、ご家族でルーペを持って外にでて、身近な自然に目を向けてほしいと思います」

そして、これまで3回の授業で「田んぼ講師」をつとめてくださった地元農家の方々や「自然かんさつ講師」をしてくださるNPO自然観察指導員 京都連絡会のみなさんなどが紹介されました。
さぁ、いよいよ「TaKaRa田んぼの学校2011」恵み編の授業スタートです!

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    今回の会場は京都市内にある宝酒造伏見工場。9階建ての近代的な工場です。

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    生徒のみなさんを前にあいさつをする矢野校長。

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    始業式で挨拶をする京都府南丹広域振興局の和田局長。

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    柴田工場長からは、伏見工場の中の命のつながりについてお話がありました。

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    スライドを使って授業の説明をする、森の学校の佐伯さん。

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    最終回となる恵み編の授業に期待をふくらませる生徒のみなさん。

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    田んぼ講師をつとめてくださった地元農家の方々も園部町から来てくださいました。

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    自然かんさつ講師をつとめてくださるNPO自然観察指導員 京都連絡会のみなさん。

自然かんさつ

1年間の総まとめとなる自然かんさつの授業。テーマは「命をつなぐ」です。
動物のように自分で動けない植物は、子孫を残していくためにさまざまな工夫をしています。今日は主にタネに関する生きものたちの工夫や知恵を学びました。

最初に、自然かんさつ講師の篠本さんからお話がありました。
「第1回の自然かんさつの授業を覚えていますか。タンポポについて学びましたね。わた毛がフワフワと風にのって飛んでいって、地面に着いたらタネが動かないようにペタッと貼りつくんでしたね。これはタンポポが子孫を残すための工夫なんです。このように植物は自分で動くことができないのですが、次の命をつなぐために、知恵を使ってさまざまな方法でタネを運びます。どんな方法でタネを運ぶのか紹介しましょう」
そして、「風に運んでもらう」、「動物の体にくっついて運んでもらう」、「水に運んでもらう」、「昆虫に運んでもらう」、「鳥や動物のフンとなって運んでもらう」、「鳥や動物の口にくわえて運んでもらう」、「自分でタネを飛ばす」という7つの分類の紹介がありました。

「動物の体にくっついて運んでもらう」のは、イノコズチやアメリカセンダングサなど通称“ひっつき虫”と呼ばれる仲間たち。
「“ひっつき虫”と呼ばれる植物は、動物の体に生えている毛や、私たち人間の衣服にくっついて、タネを遠くまで運んでもらいます。ひっつき虫が服についたらなかなかとれませんよね。それはその植物がくっつきやすい構造をしているからなんです。グループに分かれて、それを顕微鏡で見てみましょう」
そして、この日のために、講師の方々が京都府宮津市の由良浜に足を運んで採取してきてくださったアメリカセンダングサのタネを観察しました。初秋には黄色い花を咲かせていたアメリカセンダングサも、冬に向かうこの時期には花がタネになり、乾いてカサカサになっています。顕微鏡を覗いた生徒さんから「わっ、先がツノみたいになってる!」、「うぶ毛みたいな細かいトゲがびっしり生えてるわ!」、「このトゲがひっかかってセーターとかに付いたらとれへんのか」という声が上がります。なかには兄弟でひっつき虫を投げあったり、自分の服に何十個もくっつけている生徒さんの姿もありました。

次は、ボダイジュのタネの模型づくりです。
「風に運んでもらう」仲間の1つ、ボダイジュ(シナノキ科)は、木から落ちたら竹とんぼのようにクルクル回転して空を飛びます。滞空時間を長くすることでタネを遠くまで運ぶことができるのです。
さあ、模型をつくって飛ばしましょう。ティッシュ・懐紙・コピー用紙・画用紙、どの厚さの用紙がよく回るかな。実物のタネをしっかりと観察しながら、羽根の大きさや形を決めます。羽根の反り具合、タネを貼り付ける位置などを、変えては飛ばし、変えては飛ばしと試行錯誤を重ねる生徒さんたち。「ティッシュは薄すぎてあかんわ」、「ストンと落ちてしまう、タネが大きすぎるのかな」と苦戦している生徒さんもいます。「ポイントはタネの位置と全体のバランスやね」、「紙ヒコーキと同じでよく飛ぶ羽根の角度というのがあるんですよ」少年のように目を輝かせているお父さんたち。やがて、みんな立ち上がって模型を飛ばし始めました。「あー、回った!」「わぁ、飛んだ飛んだ!」という歓声や拍手があちらこちらから聞こえてきました。「よく回転する絶妙のバランスを見つけるのに、いろいろ工夫しました。植物はそれを勝手にやっているのかと思うと、自然の神秘を感じますね」と感想を語るお父さんもいました。

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    命をつないでいく植物のさまざまな知恵について話す、自然かんさつ講師の狩野さん(右)と篠本さん

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    三世代で参加されたご家族。キリの実をのぞき込み、3人とも真剣な面持ち。

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    観察する植物は、講師の方々が事前に採取してきてくださいました。

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    「やっぱりひっつき虫はようくっつくわー!」自分の服につけて試してみる生徒さん。

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    講師の方の話に引き込まれるように聞き入る生徒さんたち。

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    自然かんさつの授業も今回で4回目。講師の方ともすっかり仲良しです。

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    タネの模型を手にして、「ちゃんと飛んだよ!」「私のもクルクル回った!」

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    自分のつくったタネの模型を飛ばしてみます。

ファクトリークイズラリー

工場の中を見学しながら、3つのポイントでクイズに答え、宝酒造の環境活動や、日本のお酒文化などについて学びます。
第1ポイントは、こも樽づくりの見学です。
お祝いの席での“鏡開き”などで見かける大きな酒樽に、ワラでつくられた“こも”を巻いていきます。こも樽名人が72リットル(四斗)の大きな樽を手際よく操りながら、わずか8分ほどでこもを巻き上げる姿に、子どもたちからは「すごいね!」「かっこいいな!」の声が上がります。食い入るように見ていたお父さんは「すばらしい職人技ですね!」と少し興奮した様子で写真を撮っていました。

第2ポイントでは、環境への取り組みについて学びました。
宝酒造では、容器の軽量化、くりかえし使えるリターナブルびんの活用、お酒の紙パックのリサイクルといった「リデュース(減量化)」、「リユース(再使用)」「リサイクル(再資源化)」の“3R”に加えて、焼酎の量り売りによる「リフューズ」(発生回避)にも取り組んで“4R”の推進をしています。実際のびんや容器などを見ながら、“4R”についての話を聞きました。今年新しく発売された環境にやさしいエコパウチ入りの製品が紹介されると、「へぇ、これもお酒なんや」「かさ張らないから保存しやすそう」と大人も子どもも興味津々でのぞきこんでいました。

第3ポイントは、生産ラインの見学です。
「お酒をびんや紙パックに詰める」、「キャップを取り付ける」、「ラベルを貼る」、「箱に詰める」などの工程がオートメーションで行なわれている様子を、ガラス窓越しに見学します。びんや紙パックがずらっと並んで流れていく様子を、大人も子どももガラスに張り付くようにして見つめています。紙パックの充てんラインでは、1日に3万8500本詰めることができると聞いて、子どもたちは「へ~!」「すごーい!」と驚きの声。品質や衛生管理について、熱心に質問をしているお父さん、お母さんの姿も見られました。

各ポイントで三択のクイズに答えてスタンプをもらいます。ゴール地点でお子さんには、賞品としてお酒の紙パックのリサイクル紙で作られた命のつながりジグソーパズルと、小冊子「リサイクルロード」を、大人の方には、お酒の紙パックを再利用し福祉作業所で作った絵はがきが贈られました。

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    名人によるこも樽づくりの実演を間近で見学。

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    職人さんが72リットル(四斗)の大きな樽に手際よく「こも」を巻いていきます。

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    こも樽の完成品。お祭りやお祝いの席などで鏡開きに使われます。

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    「うわ~、重たそう」職人さんが軽々と巻きあげたこも樽をさわってみます。

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    各ポイントでクイズに答えて文字スタンプをゲット!

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    宝酒造が取り組んでいる環境活動について説明を受けます。

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    この容器も環境に配慮されてつくられているんだね。

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    ジグソーパズルなどの賞品をもらいました。

おもちパーティー

午前中の授業が終わると、いよいよ楽しみにしていたおもちパーティーです。5月に田植えをして、みんなで育てたお米をおもちでいただきます。
収穫したもち米は、地元農家の中西さんが乾燥、脱穀、精米してくれました。この日の朝におもちにされ、みんなを待っています。
目の前にあるのは、まさにみんなのお米からできた、つきたてのおもちです。ソフトボールぐらいのサイズに小分けされ、家族の人数分トレーに並んでいます。その横には、女性加工グループ「園部町つつじの会」の方々がじっくり炊いてつくってくださった丹波大納言のあんこや、丹波地方で120年続く製造元が手造りしたしょうゆ、その他、砂糖やのりなどが添えられており、いろんな味であじわうことができます。また、タカラ本みりんを煮詰めてつくったみりんシロップも用意されており、ワッフルや無糖紅茶でその味わいを体験します。
子どもたちは「もちもちやー!」「やわらかくて気持ちいい!」とできたての感触を楽しみながら、おもちをちぎって丸めていきます。「そんなコネコネせんでもええやろ、粘土とちがうで」「デコボコやん、もっとおいしそうにつくってよ」子どもたちにまかせていたお父さん、お母さんも、ついに見かねて手をのばしました。家族みんなで楽しそうな声を上げながら、思い思いにあんこもちにしたり、磯辺もちにしたり、好みの味のおもちができあがりました。
さあ、いよいよ“いただきます”の時間です。太陽、水、大地をはじめ、さまざまな自然の恵みに、愛情こめてイネを守り育ててくださった地元農家の方々に、そして田んぼの中のたくさんの生きものの“命”に、ありがとうの気持ちをこめて、いただきますを言います。宝酒造の木下勝仁(きのしたかつひろ)環境広報部長の「みなさん、声を揃えて大きな声で言いましょう」という言葉の後、みんなで手を合わせて「いただきまーす!」
「おいしい!」「よう伸びるわー」「市販のおもちとは弾力がちがう!」「みりんシロップが和風はちみつみたいでおいしい!」自分たちで田植えから草取り、収穫までしたお米からできたおもちに、満足そうな表情を見せる生徒さんたち。「春からつくってきて、やっと食べられるんやな~」しみじみとそう言っておもちを頬張った生徒さんの顔からこぼれる笑み。食堂中にみんなのおいしい笑顔があふれていました。

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    自分たちで育てたお米からできたおもち。大切に家族のもとへ運びます。

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    家族ごとにおもちを丸めて、あんこ、しょうゆ、のり、砂糖…お好みの味で。

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    できたてのおもちは、もっちりとして弾力があります。

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    「もちもちで気持ちいい!」おもちの手触りを楽しみながら小さくちぎって丸めます。

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    調味料グループ細野グループ長が、みりんシロップのおいしい食べ方について話をします。

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    今日みんなが食べる丹波大納言のあんこなどについてお話をする南丹市農政課の渡邊課長と片山さん。

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    木下環境広報部長のかけ声に合わせて、みんなで「いただきます!」

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    磯辺もちにしていただきま~す! すっごくおいしいよ!

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    がんばって育てたもち米でできたおもちだよ!

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    おいしくて、ほお張っちゃう。

マイラベルづくり

最後は、子どもと大人に分かれての授業です。収穫したもち米は、伏見工場の方々が丹精こめて本みりんにします。子どもたちは、その本みりんのびんに貼るラベルをつくりました。4回の授業を通して、命のつながりを学んできた田んぼの学校。私たちのもっとも身近なところで命をつないでくれているのは、お父さん、お母さんです。そのありがとうの気持ちをこめてラベルに絵をかきました。田んぼやイネの絵、親子そろって田植えや稲刈りをしている絵、自然かんさつで出会った虫や花の絵、なかにはケロッ田の姿も。色えんぴつやカラーペンを使って、カラフルで楽しい、個性豊かな“マイラベル”が完成。「ありがとう!」の言葉がかかれたラベルもたくさんありました。
今日つくったラベルが貼られた世界に1本の本みりんは、来年4月ごろにそれぞれのご家庭に届けられます。お父さん、お母さんがどんな顔をするかは、届いたときのお楽しみ!

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    子どもたちは本みりんのびんに貼るラベルをつくりました。

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    大切なみりんに貼るラベルだから、子どもたちの表情も真剣そのもの。

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    私のラベル、できたよー! たくさんの色をつかって絵と文字をかいたよ。

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    お父さん、お母さんの喜ぶ顔を想像しながら一生懸命かきます。

みりんの楽校(がっこう)

大人の生徒さんたちは、本みりんの原料やつくり方、その調理効果、みりん風調味料との違いなど、「本みりん」について詳しく学びました。
“ききみりん”を行ない、「本みりん」と「みりん風調味料」、「料理清酒」と「料理酒」の味や香りの違いを確かめました。本みりんは昔、甘いお酒として飲まれていたとあって、口にした人からは「甘くておいしい」「アルコール分が強いね」との声。逆にみりん風調味料は「甘さがダイレクトで単調」「風味に欠ける」といった声が上がります。「料理清酒」と「料理酒」は利き比べる前から「これは一目で分かるな」「色も香りも全然違うわ」と言い合う生徒さんたち。料理酒を口にした人からは「わー、めっちゃ辛い!」「塩分が強すぎて、とても飲めへんわ!」といった言葉があちらこちらから聞こえてきました。また、本みりんとみりん風調味料、それぞれを使って煮た高野どうふの味を食べ比べたときには、本みりんで煮たほうは「上品な甘さ」「ふっくら煮上ってる」との感想がありました。
本みりんは、食べ物のうまみを逃がさないこと、味をまろやかにすること、味がよく染みこむこと、食べ物がふっくらと煮えること、煮くずれを防いでくれる効果があること、などを学びました。お母さんからは「本みりんを使ったら料理上手になれそう」という声が上がりました。

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    大人の生徒さんは「本みりん」について詳しく学び、その魅力にふれました。

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    本みりんの原料やつくり方、調理効果などを説明する調味料グループの細野グループ長。

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    「本みりん」と「みりん風調味料」の味くらべをしました。

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    “ききみりん”をして味や香りの違いを確かめる生徒さんたち。 

日記づくり・ふりかえり

これまで3回の授業でも毎回行なってきた「ふりかえり」の時間もこれが最後です。今日1日をふりかえって、楽しかったこと、印象に残ったこと、感動したことなどをふりかえりシートに描きます。自然かんさつ、おもちを食べたこと、工場見学をしたことなど、じつにさまざまです。4回の授業を通して感じた、命の大切さや自然のすばらしさなどをかいている生徒さんや、「これからも自然を大切にしていく」といった決意をかいている生徒さんも数多く見られました。

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    最後の授業となる「ふりかえり」の時間。楽しい思い出がいっぱいあるね!

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    完成したふりかえりシートを手にみんなの前へ。大きな声で気持ちをこめて発表しました!

卒業式

そして、いよいよ卒業式です。まず、矢野校長の挨拶からです。
「みなさん、ご卒業おめでとうございます! 全4回の授業を無事終了することができました。最初の田植え編では、おそるおそる田んぼに入っていたお子さんたちが、回を重ねるごとに逞しくなり、自然かんさつの授業で思いっきりカエルやバッタを捕まえる溌剌(はつらつ)とした姿を見ると、本当に頼もしく感じました。
この学校のテーマは、自然の恵みと命のつながりを学んでいただくことです。みなさんはこの学校での授業を通して、さまざまな体験や初めて学んだことがたくさんあったと思います。学んだことを忘れずに、今後の生活に生かしていただけたら幸いに思います。
私たち宝酒造は自然から恵みをいただいて製品をつくっています。田んぼの学校の活動を通じて、これからも次世代に自然環境の大切さを伝えていきたいと思っています。どうぞ今後とも引き続きみなさまのご支援をお願いしたいと思います。
みなさんが刈り取ったもち米は本みりんに仕上げ、今日、一生懸命つくられた世界にひとつしかないラベルを貼って、来年の春にお届けする予定です。みりんの楽校で学ばれたことを参考に、ご家庭で美味しい料理をつくっていただき、家族団らんで田んぼの学校の思い出話に花を咲かせていただけたらうれしく思います。
最後になりましたが、20倍以上の難関を突破してご参加いただき、本当にありがとうございました。そして、ご協力をいただきました多くのみなさまにも、厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました」

次に、卒業証書授与式が行なわれました。卒業生代表として、田植え編から恵み編まで家族全員が毎回出席された生徒さんの中から、もっとも遠方から通ってくれたご家族の方に、矢野校長から卒業証書が手渡されました。
そして、卒業生代表となったご家族のお父さんから挨拶がありました。
「まず初めに、今回のTaKaRa田んぼの学校を主催していただいたご関係のみなさまに心よりお礼を申し上げます。きめ細やかなご配慮やサポートをいただき、最後までたいへん楽しく勉強することができました。この下にも幼稚園の妹がいますので、ぜひ2回、3回と続けていただいて、また参加させていただきたいなと思っています。ご参加のご家族の方々に変わりまして、代表でご挨拶させていただきます。どうもありがとうございました」

最後に、全員で記念撮影を行い、すべてのご家族に卒業証書が手渡されました。
卒業生のみなさんへのおみやげとして、南丹市園部町の農業公社の方につくっていただいたおもちと、田んぼ講師の谷さんが育てたコシヒカリが手渡されました。
みなさんが育てたお米の一部が、京丹波町共同作業所、社会福祉法人「京都太陽の園」など5つの施設に寄付されることも発表されました。

みんなの笑顔のなかで2011年の「TaKaRa田んぼの学校」は無事、幕を閉じました。

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    最後の授業となる「ふりかえり」の時間。楽しい思い出がいっぱいあるね!

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    卒業生代表のご家族に、卒業証書が手渡されました。

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    最後は卒業記念写真で締めくくりました。

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    みりん工場を見学できてよかった。自分達で作ったもち米がみりんになるのがすごくたのしみだ。 み近な所にたくさんの「種」がたくさんあることが分かった。 この種たちのおかげで私たちの生活ができてるんだと改めて思った。

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    おもちを食べたことが楽しかったです。「自分が育てたお米なんだな。」と感じました。 クイズも学べながら、楽しめて、とっても楽しかったです。 しぜんかんさつでは、もけいを作ったのが、楽しかったです。うまく作れて、うれしかったです。 とっても楽しかったです。

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    クイズは全部正かいできた。 工場は広かった。ラベル作りは楽しかった。

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    おもちぱーてぃのとき、おもちのにおいをかいでみるとき、あったかかったです。おもちをちぎるときにもあつ!!といってしまいました。おもちのあじは、とてもおいしかったです。またできたてのおもちをたべたいです。しぜんかんさつのときは、これってなんだろうていうたねもあったけど、しぜんかんさつもたのしかったです。

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    きょうおもちをたべて、おいしかったです。

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    工場見学が楽しかった。 ラベル作りやたねであそぶのがとても楽しかった。おもちもおいしかった。 またしたい。

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    今日の思い出は、飛ぶ種や、服などにひっつくのがあって、びっくりしたことです。紙で作って自分で飛ばしてみたら、飛んだので、うれしかったです。服にひっつくのは、チクチクしていて、手でさわったら、いたかったです。(自然かんさつ)

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